こんにちは。
米国株式投資を考えている方で、米国個別銘柄と米国高配当ETFへの投資で迷っている方も多いと思います。米国個別銘柄に投資するのと、米国高配当ETFに投資するのとではどのような違いが出てくるのでしょうか。
米国国内では高配当ETFを、老後のリタイアメントプランのための安全な長期投資として購入している方がたくさんいます。そのほとんどの人が、米国高配当ETFと米国個別銘柄の両方を自分のポートフォリオに組んでいるようです。米国高配当ETFだけを保有する場合のメリット、デメリットについてはさまざまな意見がありますが、どちらかが正解ということはないようです。
それぞれの目的に合った投資をする必要があります。
この記事が、高配当ETFへの投資が自分の投資に合っているかを決めるヒントになればと思います。
米国高配当ETF投資のメリット
米国高配当ETFの保有にはたくさんのメリットがあります。その一つは個別銘柄を保有するよりはるかに管理が簡単ということです。
ポートフォリオの構成が15から20銘柄以上になると、そのポートフォリオは分散投資ができていると言えます。しかしそれだけの数の銘柄を長期で管理するのは実際大変です。米国高配当ETFのほとんどは、50から数百の銘柄で構成されていて、セクターの分散も十分にされています。ETFを保有するだけで分散投資ができるので、一部のセクターの変動から受けるリスクを減らすことができます。そして十分に分散されているETFは価格の変動をそれほど注視する必要がありません。
言い換えれば、ETFに含まれる一つの企業銘柄がそのETFのパフォーマンスを壊滅させるようなことはほとんどないということです。なので個々の企業のビジネスに関する最新のニュースを常にチェックするような必要はありません。
つまり自分の投資の目的に最適だと思う米国高配当ETFを見つけることができれば、あとはただそのETFをより多く保有することに集中して長期保有すればいいだけなんです。個別銘柄への投資のように、どの銘柄を買い増すかという事に悩む必要はなくなります。
なのでETFのメリットは高配当銘柄への投資に比べて管理が簡単だということが言えます。
そして長期的な保有を決めたら、短期的な変動はあまり気にしないということも大切です。ETFはそのベンチマークとなっている指数の動きによって変動します。もちろん下降することもありますが、それは長期的価値が損なわれているわけではないので、それを理解する必要があります。
以下は投資の神様と言われるウォーレン・バフェットが、自分がなくなったあと自分の資産を引き継ぐ人へのアドバイスとして言われたことです。
“My advice to the trustee couldn’t be more simple: Put 10% of the cash in short-term government bonds and 90% in a very low-cost S&P 500 index fund. (I suggest Vanguard’s.) “
90%を低コストのS&P500インデックスファンド(バンガード社のものを勧めています)に投資して残りを短期国債に投資することをアドバイスしています。
そして彼は他の投資家たちにもETFへの投資を勧めています。
このように初心者投資家にとってもETFはメリットがあると言えます。
米国高配当ETFのデメリット
米国高配当ETFのデメリットは、自分の投資目標とリスク許容度に合わせてファンドを微調整できないということです。
個別銘柄への投資をする際、数十の優良な高配当銘柄のポートフォリオを構築するにはそれなりに時間がかかりますが、ポートフォリオの配当利回り、分散、および配当の安全性を独自のニーズに合わせてカスタマイズすることができます。
また、各企業には配当支払いスケジュールが設定されているため、年間の支払額が正確にわかります。

上の表はは配当金を管理している例です。どの企業から何月にいくら支払われるというスケジュールが明確なため、毎月の収入を明確に管理できます。
個別銘柄への投資は、配当から得られるよりも高い利回りの収入源を備えたポートフォリオを構築することも可能だと思います。 カスタマイズでポートフォリオを強化し、個々の配当銘柄の株数を買い増していけば、より多くの配当収入も維持できます。 しかしこれには財務諸表などから企業の経営状況や営業成績を分析するスキルが必要になります。
個々の株を所有することの利点は、継続的な手数料がないこともあります。 株を購入または売却するときにのみ費用がかかります。 ETFには必ず経費率があり、保有する限り常に経費がかかります。 経費率は運用している額にかかってくるため、少額で運用している投資家にはそこまで影響を与えるものではないと思います。
また運用期間が短い投資家は、米国高配当ETFだけに投資することでリスクが上がってしまいます。例えば退職金を使って高配当の株式で資産運用をするとします。資本を維持しながら配当金で収入を生み出したいと考え、「バンガード米国高配当株式(VYM)」を投資先に決めたとします。VYMは0.06%という低い経費率で容易に資産を運用することができますが、ここで考慮すべき点がいくつかでてきます。
まずVYMの配当利回りは過去10年間で平均3.25%です。これは退職者の収入としてのニーズに答えられる数字ではないと思います。もちろん最初に投資する金額にもよりますが。
そして2つ目は、その配当がさまざまな経済局面で安定しているとは言えません。過去にも景気後退の際に、大きな影響を受けた例があります。2008年に分配金が一口あたり$1.14に達したあと、2009年に$1.17、2010年に$1.09と下降しました。元の分配金に戻ったのは2012年のことでした。これは退職後の収入としては不安定な要素になります。
なので米国高配当ETFは運用期間が短い人にはリスクが大きくなることが考えられます。
以上が米国高配当ETF投資へのメリット、デメリットになります。 資産運用をする目的、資金、運用期間、などを考慮して、自分の投資に適しているかどうかの参考にしてみてください。
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