こんにちは。
今回は長期投資において、リスクを減らすために不可欠な分散投資についてお話したいと思います。
分散投資をすることで、市場の動向によって起こるリスクを減らし、投資目的を達成するための堅実なポートフォリオを作ることができます。
そして分散投資のポートフォリオは、自分で考えて作る必要があります。今回は分散投資のポートフォリオを作る時に役に立つ方法をご紹介します。
ー目次ー
・なぜ分散投資が必要なのか?
・分散投資ポートフォリオの作り方とリバランス
・分散投資をはじめる3つのステップ
なぜ分散投資が必要なのか?
株式、債券、その他の投資を組み合わせて分散投資をすることで、投資リスクを減らすことができます。株式の中でも、先進国、新興国などの分散でリスクが減っていきます。
自分の大事な資産を戦略的に資産配分して、その配分を維持することが長期投資では最も重要になります。
また、分散投資をすることで、リスク許容度に関係なく投資リターンを上げる可能性もあります。
分散投資することによって、ポートフォリオの一部のリターンが減少しているときでも、他の資産がリターンを生んでくれるので、全体のリターンは減少することなくキープすることができるからです。
各資産の中でも分散投資をする
十分に分散されたポートフォリオを構築するためには、各資産の中でも分散するということが大切です。
一つの株式銘柄に集中投資することは、リスクが上がるので避けることが賢明です。一般的に、個人投資家は一つの銘柄が株式ポートフォリオの5%を超えないことが望ましいと言われています。
株式の中でも、以下のような点で分散投資をすることがおすすめです。
・時価総額(小型株、中型株、大型株)
・セクター(情報技術、生活必需品など)セクター分散で安全な投資
・地域(先進国、新興国など)
全ての規模の企業、セクター、地域の株式が同時に繁栄、または衰退することはないので、これらを分散させることで、リスクを減らすことができます。
バリュー株、グロース株などを組み合わせることもおすすめです。
分散投資は長期投資にとって不可欠
2008年にはリーマン・ショックが起こり、それによる金融危機により様々な種類の投資資産の価値が同時に下がりました。しかしこのような状況でも、分散投資をすることによって、ポートフォリオ全体の損失を抑えることができます。
実際に2008年から2014年までの景気後退から回復期のリターンを、3つの仮想ポートフォリオで見比べてみてみましょう。

出典:Strategic Advisers、Inc。全額現金ポートフォリオの非課税口座に保有されている資産の仮想価値100,000ドル。 49%の米国株、21%の国際株、25%の債券、5%の短期投資の分散成長ポートフォリオ。そして、70%の米国株と30%の国際株の全株式ポートフォリオ。このグラフの架空の図は、モーニングスター/イボットソンアソシエイツによる2008年1月から2014年2月までの過去の月次パフォーマンスを使用しています。株式はS&P500およびMSCIEAFEインデックスで表され、債券はバークレイズ米国中間国債インデックスで表され、短期投資は米国の30日T-billで表されます。
・緑色ー現金のみ
・水色ー70%の株式(49%の米国株、21%の国際株)、25%の債券、5%の短期投資の分散投資ポートフォリオ
・紺色ー全株式ポートフォリオ(70%の米国株、30%の国際株)です。
それぞれが、景気後退、回復期のリターンを表しています。
表を見るとわかるよに、分散投資ポートフォリオは景気後退時に全株式ポートフォリオよりも損失が少なく、その後の回復期では現金をはるかに上回り、市場の利益の多くを獲得しています。
分散投資が、金融危機による景気後退と回復を通じて、リスクを低く保ちながらも市場の成長へのリターンを維持していることがわかります。
分散投資の価値は、長期投資によって最もよく現れます。
変動の激しい市場では、より高いリターンを求めてしまい、本来の目的を達成できない人がたくさんいます。逆に市場が低迷すると、リスクの低い投資先に資産をつぎ込んでしまい、リターンを得るチャンスを逃してしまう人がほとんどです。
適切な資産配分による分散投資と、定期的なリバランスを含む計画を立てることは、長期的に損失を減らし、多くのリターンを生むことに繋がります。
分散投資ポートフォリオの作り方とリバランス
まず、自分の資産構成(株式、債券、短期投資など)が、
・投資の期間
・財務状況
・リスク許容度 自分のリスク許容度を知ろう!
に適していることを確認する必要があります。
以下の分散投資のポートフォリオの例は、さまざまなレベルのリスクとリターンの可能性を示すために、さまざまな量の株式、債券、および短期投資を組み合わせたものです。
・債券を中心にした保守的なポートフォリオ
・全体のバランスを保ったポートフォリオ
・株式投資の多いポートフォリオ
・株式を増やして高いリターンを目的としたポートフォリオ
の4つのパターンがあります。

データソース:Fidelity Investments and Morningstar Inc、2020(1926-2019)
※配当金は再投資することを前提にリターンを計算しています。
これは1926-2019年の株式のパフォーマンスを元に作られたグラフです。
このグラフの通り、株式への投資を増やせばリターンが高くなりますが、損失も大きいのでリスクが増えます。
どのくらいのリスクなら自分が許容できるのかを考えて、ポートフォリオの割合を決める時の参考にしてみてください。
「どのくらいのリターンが必要」かということよりも、「どのくらいのリスクまでなら負う事ができるか」を考えることが重要です。
分散投資のポートフォリオはリバランスが大事
ポートフォリオは定期的に「リバランス」と呼ばれる資産の再配分をする必要があります。リバランスは一般的に年に一回ですが、財務状況が大幅に変化したときにも必要です。例えば、失業、転職、予想外の収入などが入った時がリバランスが必要な時です。
分散投資のためのポートフォリオを組んだら、定期的にチェックしてリバランスをしないと、ポートフォリオの内容が投資の目的や自分のリスク許容度と合わなくなってしまう可能性があります。
リバランスをしなかった場合、どのようにポートフォリオが崩れてしまうかを、次のグラフでみてみましょう。

1997年1月から2018年12月までの過去の月次パフォーマンスを使用しています。株式はS&P500およびMSCIEAFEインデックスで表され、債券はバークレイズ米国中間国債インデックスで表され、短期投資は米国の30日T-billで表されます。
2009年から投資を始め、その後リバランスをしなかった結果、2019年には株式が全体に占める割合が多くなり、ポートフォリオ全体のリスクが高まってしまっています。
リスクを減らしたい場合、株式を減らして債券を増やし、リスクを減らす必要がでてきます。
逆に、投資目標を達成するためにリスクの高い株式を増やすことなどのリバランスをする場合もあります。
定期的に分散投資のポートフォリオをリバランスすることで、
・ボラディリティを減らす
・適切なリスクレベルに戻す
ことができます。
分散投資を始めるための3つのステップ
投資は継続的なプロセスなので、定期的なチェックと調整が必要です。
分散投資を始めるための3つのステップを紹介します。
1,自分自身の投資計画を作成する

・投資の目的
・目標金額
・現在の資産額
・積み立て投資額
・投資期間
・リスク許容度
などを自分で把握し、投資の計画を立てる必要があります。
2,適切なリスクの中で投資を始める

自分の投資目的に適していると思う株式、債券、短期投資を組み合わせて投資先を選びます。
株式は他の金融商品に比べて、歴史的に最も成長しています。しかしその反面ボラディリティも高いことがデメリットです。
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しかし投資期間が長く、市場の浮き沈みを乗り切って長期的な利益を生みだす時間が十分にある場合は、ポートフォリオの大部分を株式で占めることをおすすめします。
20代、30代の人で老後の資金を作りたいという人は、まだ十分に運用期間がありますので、株式に投資することが賢明だと思います。
また、残り数年でお金が必要になる場合や、リスクに対する許容度が小さい場合は、債券や短期投資などの一般的にボラディリティが低い投資先への投資を検討してみてください。
資産構成が決まったら、それに見合った投資先を選定します。
米国株式やETFについて
おすすめ銘柄やETF
3,ポートフォリオを管理

ポートフォリオを定期的にメンテナンスしていきます。
1,チェック
パフォーマンスやリスクの変化について、定期的にポートフォリオをチェックします。
2,リバランス
適切なリスクレベルを維持するために、資産の構成を再検討します。具体的な方法としては、理想ポートフォリオの割合から10%以上ずれている場合、リバランスをする必要があります。例えば、理想のポートフォリオの債券の割合が40%なのに対して、30%になってしまっている場合、債券を買い増しする必要があります。
3,更新
少なくても1年に一回更新しましょう。経済状況や目標が変更になったときにも必ず見直す必要があります。
まとめ
長期的な投資の目標を達成するためには、リスクとリターンのバランスが不可欠です。
分散投資で投資先の適切に組み合わせて、定期的にリバランスして自分のポートフォリオを管理することで、結果に大きな違いをもたらすことができます。
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「分散投資をしないと長期投資は失敗に終わる!?」に11件のコメントがあります