今回は家庭でできる「お金の教育」の13歳から18歳編です。
前編はこちら:家庭でできるお金の教育【3歳から13歳編】
「お金の教育」を家庭で子供にしましょう!と言うと、
「別にお金持ちにならなくても、、、」や
「世の中お金がすべてじゃないし、、、」
と思う人もいると思いますが、「お金の教育」は「子供をお金持ちにするための教育」ではありません。
「お金の教育」の目的は、子供の人生を「お金に縛られないもの」にすることです。
「お金の教育」で子供の金融リテラシーを高めることで、子供がお金に縛られない「安心」と「自由」な人生を手に入れることができます。
アメリカの富裕層が子供に教える「大切な10のお金の教育」
お金の教育が子供の将来を変える
とても大事な教育ですが、残念ながら学校では充分に行ってくれません。
特に日本では、今現在そのような授業は公立の学校ではありませんし、2022年からやっと高校の家庭科の授業で始まる資産形成に関する授業でも、あまり深くはやらないのではないか、と言われています。
なので、「お金の教育」は家庭で行うことが重要です。
今回は13歳から18歳までの、家庭での「お金の教育」について紹介していきたいと思います。
13歳から15歳まで
資産を作る方法を教える
10代半ばになると、クレジットなどの抽象的な概念を把握して、自分の長期的な行動がもたらす結果を理解できるようになります。
友達やグループの仲間と、自分との違いを意識し始める時期でもあります。なのでこの時期の子供は、色々なことに挑戦させるのに最適です。
次の3つの金融に関する概念を教えて、10代の子供の自立心を育ててあげましょう。
1、Work 仕事
2、Banking 銀行
3、Investing(bonds vs. stocks) 投資(債券と株式)
1、Work 仕事
「たくさん働くとお金を稼げる」ということは子供も知っていますが、この年齢までは子供たちは家庭でのお手伝いでお小遣いを稼いできました。
しかし10代半ばからは、親のコントロールとは別の場所で仕事を見つけることをさせてみましょう。
子供たちの責任感を強くして大学進学への意欲にも繋げることができます。
現在の子供たちには、実際にお店などで働く以外にも働く方法があります。
自宅でネットを使ってできる仕事などもありますし、メルカリなどの不用品を販売できるサイトを利用してお金を稼ぐこともできます。自分のデザインなどをネットで販売する方法もあります。どんな仕事でもいいので、とにかく家庭以外でお金を稼ぐ方法を見つけさせましょう。
もしネットで決済する必要がある場合は、個人情報の安全性について必ず最初に確認しておきましょう。
2、Banking 銀行
デジタル化が進んでいる子供たちの世代でも、銀行の窓口の利用はまだまだ続くと考えられています。大事なお金を誰が管理してくれているのかを知っておくためにも、子供と一緒に銀行の窓口に行って口座を作りましょう。
「貯めるマインド」を身に着ける4つの方法
親が監視できる子供用の貯金口座を開設しましょう。子供用の銀行を選ぶ際は以下の項目を確認してみてください。
・最低残高の規定がない
・毎月の維持費が無料
・オンラインアカウントで管理ができる
・金利が高い
・家の近くに支店がある銀行
3、Investing 投資
10代半ばになると、仕事や銀行口座の開設をさせている人はたくさんいると思いますが、ほとんどの人がしていないのがこの「投資」という「お金の教育」です。
【実践編】子供の「投資マインド」を育てる方法
子供が以下のことを理解できているようであれば、次は「投資」にチャレンジさせることを考えてみて下さい。
・お金を稼いで貯める方法
・将来のために予算を組む方法
・銀行で長期的に貯金をする方法
この3つが理解できていれば、今度は「リスク」について教える時です。はじめは「投資」をシンプルなものにした方がいいので、債券と株式のどちらかに投資するようにしましょう。
自分のリスク許容度を知ろう!
まず、安全な投資方法として債券があることを教えます。一定の利息がもらえて、償還期日になれば全額返金されることになります。特に国債は国が発行する債券なので、さらにリスクは低くなります。政府がデフォルトしない限り、国債は必ず元本が返金されるからです。しかしリスクが低い投資は、トータルリターンも低くなります。
米国債ETFは最も安全な投資先
一方株式は債券よりもリスクが高くなる分、リターンも高くなります。
株式を購入するということは、その金額に関わらず企業のオーナーの一人になるということを意味し、株式の価値は企業の成長や財政状況などに左右されることを教えてあげてください。
「安く買い、高く売る」というのが株式への投資の基本になることを教えて、少額の投資をさせていきましょう。
株式投資をするべき14の理由
株式投資の基礎知識
米国株式やETFについて
おすすめ銘柄やETF
債券と株式への投資を通じて、リスクとリターンの関係性を理解することができるようになります。
15歳から18歳まで
実社会に出るための準備
10代の半ばから後半にかけては、複雑な問題を自分で処理し、自分の現在の行動が将来どのような結果をもたらすかを想像できる年齢になります。
この時期には子供たちがこれからする大きな出費(大学の費用)について話していく必要があります。
米国では80%以上の人が、住宅ローンや車のローン、クレジットカードの未払い、医療費請求、学生ローンなど、何らかの形で借金を抱えていると言われています。
大学進学を前に以下の項目についての知識を深めておく必要があります。
1、Taxes 税金
2、Good debt 良い借金
3、Bad debt 悪い借金(負債)
4、Credit scores クレジットスコア
1、Taxes 税金
もし子供がアルバイトで働いている場合、すでに税金の支払いをし始めていますよね。
税金についての知識がない場合は、まず確定申告の方法から教えましょう。以下のサイトで税金について子供と一緒に勉強してみることがおすすめです。
国税庁 税の学習コーナー
国税庁のサイトには小学生から高校生以上向けまで、年齢別で分かりやすく税金について説明してくれているページがあります。
IRS Understanding Tax Students
こちらは英語で税金について学べるサイトです。
子供たちの世代は、私たちよりさらに税金を支払う額が多くなります。税金の仕組みや、「なぜ税金を支払う必要があるのか」を教えることはとても重要です。
2、Good debt 良い借金
一言で「借金」と言っても、実はしても大丈夫な「良い借金」と、してはいけない「悪い借金」があります。
まず「良い借金」とは、自分の純資産を増やす目的で資産を買うための、長期投資に使う「借金」のことです。
・学生ローン
・住宅ローン
・車のローン
これらは「良い借金」に当てはまります。
もちろん住宅ローンや車のローンに関しては、本当にそれが資産に値するものなのかが、「良い借金」になるかどうかの重要なポイントになりますが、とりあえず今は「良い借金」の例として子供に教えておきましょう。
学生ローンに関しても、真剣に検討する必要があります。学生ローンは住宅ローン同様に、生涯のうちで最大の「借金」になるものだからです。
学生ローンを組んで大学に進学する方法のほかにも、まずはコミュニティカレッジ(日本の短大のようなもの)などの比較的安い学校に進学して、その後大学に編入するという方法もあります。
もし子供が大学への進学を希望した場合、真剣に学生ローンについて話し合いましょう。この時、具体的な金額を調べて話し合う必要があります。学生ローンも種類が多種多様にあるので、どの金融業者の金利が低いか、どのように借り入れるのかを子供と話し合いましょう。
「子供はお金のことは心配しなくていい」などの言葉で濁さずに、きちんと子供自身に調べさせて決めましょう。大事なのは大学を卒業してからどのようなキャリアを積んでいくかです。その時に学生ローンの返済をしていかなくてはならないのは子供たち自身です。
ここできっちりと調べることができる子であれば、将来住宅ローンや車のローンを組む時に必ず役に立ちます。
3、Bad debt 悪い借金(負債)
資産を増やすための「良い借金」があるのに対して、「悪い借金」は「負債」のことです。これらは「長期投資」に使う「良い借金」ではないので、できればしないことが賢明です。
もし「悪い借金」をしてしまった場合、期日通りにしっかりと返済しないと、クレジットヒストリー(利用履歴:その人の信用度を図るもの)に深刻な結果をもたらす可能性があります。
もちろん返済できるだけのクレジットカードを使うべきということは、子供も理解していると思いますが、予期せぬ出費で限度額を超えてしまったり、支払い期日を過ぎてしまう事もあります。
そうすると、さらに多くの利息を支払わなければいけないだけではなく、クレジットスコア(※クレジットスコアについては後で説明します)も悪くなります。
予期せぬ出費には以下のようなものがあります。
・医療費
・車や家のメンテナンス費
・光熱費などの請求額の上昇
・失業
これらはいつ必要になるかわからないので、緊急用の貯金がないのであれば、大きな出費はするべきではないことを子供に教えてあげましょう。
ペイデイローン(給料の前借り)をしないことも子供に教えましょう。
必ず「今あるお金」の範囲で生活する習慣を身に着けることが大切です。
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子供が豊かな人生を送るための7つの習慣と1時間ルール
住宅ローンや車のローンも、実は「良い借金」にも「悪い借金」にもなるので注意が必要です。特にこの年齢の子供が車のローンを組もうとしている場合は、ローンを組んでまで本当にその車が必要なのか、中古車ではだめなのか、〇〇年後にいくらの価値が残るのかなどをしっかりと計算してからローンを組ませましょう。売ったときの金額がローンの残高を下回るのであれば、住宅でも車でもそれは「資産」ではなく「負債」になってしまいます。
4、クレジットスコア
子供の金融リテラシーの基礎を身に着けさせるための最後のステップになります。
子供がクレジットについて理解できていれば、クレジットスコアについて説明する必要があります。
クレジットスコアは個人の資金状況をひとつの点数で表すもので、米国ではFICOスコア(フェア・アイザック社が算出するためFICOスコア)と呼ばれ、300から850点の間で決められ、多くの人は600~800になります。
スコアの全米平均は680ほどで、720以上であれば、点数の差はそれほど重要ではなくなり、住宅ローンなどで一番有利な金利で借りられるようになります。
日本では「信用スコア」とも呼ばれていて、以前はクレジットカードに入会するときなどでしか使われていませんでしたが、近年ではクレジットカードの審査以外でも使われるようになってきています。
日本でも今後米国同様に、このクレジットスコアが就職や入居する際に使用されることが考えられます。クレジットスコアは、その人の社会での信用そのものを表す数字になりますので、とても重要なものです。
クレジットスコアはこれらの5つの項目で点数がつけられます。
・支払い履歴
・借入残高
・ヒストリーの期間
・新規のクレジット
・クレジットの種類と組み合わせ
もちろん年齢が若い場合クレジットヒストリー(利用履歴)が短いため、スコアは低くなります。しかしきちんと期日通りに返済を続ければ信用度が上がり、クレジットスコアも上がります。学生ローンなどの「良い借金」を期日通りに返済することで、クレジットスコアをあげることができます。
その結果、将来低金利で住宅ローンを組むことができ、大きな節約につながる可能性もあります。
18歳から
起業家精神を育てる
金融リテラシーを子供に身に着けさせる意味は、将来子供たちに経済的な安定を持たせることだと思います。
家庭での「お金の教育」から、子供たちは社会に出てから自分でお金を稼ぎ、管理し、運用し、守り、使う能力を得ることができます。
そして家庭での「お金の教育」からもう一つ大切なことを学ぶことができます。
それは、金融リテラシ―が高い人は年齢を重ねていくうえで、思い切った行動をとるための自信を身に着けることができるということです。
「投資の神様」と言われているウォーレン・バフェット氏も、子供たちの金融リテラシーの高さと起業することには関連性があると言っています。
つまり、「お金の教育」で経済的な「安心」を得ることで、子供が「自由」な人生を送ることができるようになります。
金融リテラシーを子供に身に着けさせることは、子供を「お金持ち」にすることが目的ではありません。
お金に縛られない「安心」で「自由」な人生を手に入れるための教育です。
誰もが子供に手に入れてほしいと願っている「安心」と「自由」を手に入れるための「お金の教育」を、是非家庭で始めてみてください。
こちらのブログも参考に:
金融リテラシーを高めるお金の教育 保育園から中学生編
金融リテラシーを高めるお金の教育 ティーンエイジャー編
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