ビットコインが最高値を更新したことが最近話題になっていますね。
今回は、なぜ今ビットコインの値段が急上昇しているのかや、なぜビットコインは定期的に価格が上昇するのかを、ビットコインの仕組みや政府のコロナウィルス対策と関連して説明していきたいと思います
「ビットコインの仕組みを知りたい」「興味があるけど購入は不安」と思う人は、是非このブログを読んでビットコインなどの暗号資産の知識を深めて、資産形成をするときの参考にしてみてください。
仮想通貨がドルの時代を終わらせる?!知っておきたい基礎知識
ー目次ー
・コロナ政策でビットコインが急上昇
・インフレを調整する「ハルビング」の仕組み
・ビットコインの価格は予測できる!?
・ビットコインの今後
コロナ政策でビットコインが急上昇
執筆時の12月16日現在、ビットコインは年間累計で約195%上昇し、23,000ドルを突破していますが、この急上昇の原因は一体何なのでしょうか?
その理由は様々ですが、いくつか紹介していきたいと思います。
コロナ対策でインフレが加速する
1971年にリチャード・ニクソンによって「金本位制」が撤廃されて以来、流通するドルの量は着実に増えています。
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1975年からコロナウイルスが流行する直前までの間に、マネーサプライ(国内で保有する通貨の合計)は、2020年3月9日時点で2734億ドルから4兆ドルを超えるまでに増加しています。
2020年11月30日時点では、マネーサプライは4兆ドルから6.5兆ドルを超えていますが、これは主にコロナウイルス関連の景気刺激法案によるものです。
下記のグラフは1970年代から現在までの米国のマネーサプライを表したものです。
コロナ後に急上昇していることがわかります。

議会は現在、コロナウイルスで苦しんでいる人々を助けるために1兆ドル近くの別の景気刺激法案を可決するために協議中です。
もしこの新しい景気刺激法案が可決されれば、世界の総供給量の約50%の米ドルがコロナウィルスの発症以後に印刷されていることになります。
マネーサプライの増加はドルの購買力にも長期的に影響を及ぼすことが予想されます。
市場に出回る紙幣の量が増えればインフレ率は上がり、ドルの購買力は下がっていきます。下記のグラフは1910年代から現在までの米ドルの購買力を表したものです。

景気刺激策により、今後インフレ率が大幅に上昇することが懸念されます。
このインフレのリスクを回避(ヘッジ)するために、投資家は「価値を維持できる、または価値が高まる」投資をする必要があります。
そこで投資家が注目した投資対象がビットコインです。
ではなぜ投資家たちはビットコインに注目しているのでしょうか?
なぜ今ビットコインなのか
価値の貯蔵庫と考えられる資産は他にもたくさんあります。
最も一般的な資産は、「金」などの貴金属や供給量が限られているものです。
ですが「金」については、それが希少な資源であることは分かっていますが、どのくらいの量が存在するのかを完全に確認することはできません。
また、「金」は地球外にも存在しているため、技術の進歩に伴って小惑星の採掘によって今よりもたくさん手に入れることができようになるかもしれないとも言われています。
ここが、ビットコインが他の投資対象の資産との最も明確な違いになります。
ビットコインのコードには、これまでに何個発行されたかが書かれています。これによって私たちは、現在ビットコインがどれだけの数存在し、将来どれだけの数が存在するかを確実に把握することができるようになっています。
つまり、ビットコインは有限で固定的な供給があることを証明できる地球上で唯一の資産となっているんです。
グレイスケール・ビットコイン・トラストの理事であるマイケル・ソンネンシェイン氏は次のように述べています。
COVIDの大流行を受けて、再び経済を動かすために導入される景気刺激法案は、何が価値の貯蔵に最適か、何がインフレヘッジをできるのか、どのようにポートフォリオを守るべきなのかについて、投資家に真剣に考えさせることになったと思う。
ソンネンシャイン氏はさらに詳しく次のように述べています。
投資家の多くは、ビットコインのような希少性を持つデジタル通貨と、無制限に印刷されているように見える米ドルのような通貨との対比について考えているのではないでしょうか。
このように、ビットコインの価格上昇の理由には、コロナウィルスに関連した景気刺激法案によるインフレの恐れと、それに対するヘッジとしての使用があります。
景気刺激策やバイデン政権からの学生ローン免除(student loan forgiveness)の案で、今後もさらなる米ドルの刷り込みが予定されており、インフレは続くことが予想されます。同時にそのリスクヘッジのためにビットコインの購入が続くことも予想されています。
インフレを調整する「ハルビング」の仕組み
かつて多くの人がビットコインは詐欺だと考えていましたが、現在では世界でも有名な投資家や大規模な機関投資家が投資しており、個人投資家にとっても有益な投資対象だとされています。
投資家たちはなぜ、ビットコインが史上最高値を突破した後もビットコインを保有し続けているのでしょうか?
マイナー報酬が半減する「ハルビング」とは?
ビットコインをさらに理解するためには、「ハルビング」と呼ばれるビットコインのコードに組み込まれた仕組みを理解することが重要です。
ハルビング(Halving)とは、マイニングにおけるマイナーへのビットコイン報酬が50%削減されることです。
マイニングについてはこちらのブログを参考に:
仮想通貨がドルの時代を終わらせる?!知っておきたい基礎知識
ビットコインのアルゴリズムは、21万ブロックが生成される度 、または4年毎にマイニング報酬が半減されるようにプログラミングされています。
マイナーと呼ばれるビットコインの採掘者に与えられたビットコインの報酬が、新たなビットコインを市場に加えていくため、ビットコインにインフレの仕組みが出来上がります。
このインフレ率は4年ごとに「ハルビング」によって半分にカットされ、2100万個のビットコインがすべて市場に放出されるまで続きます。
現在、流通しているビットコインは1,850万個で、ビットコイン全体の供給量の約88.4%に相当します。
インフレは、市場の動きに大きな影響を与えます。
・米ドルの場合・・・インフレ率の上昇と米ドルの量の増加は、時間の経過とともに米ドルの価値を下げていく
・「金」の場合・・・毎年地球から採掘される新しい金の割合がやや安定しており、インフレ率が比較的一定に保たれている
そしてビットコインの場合、「ハルビング」によってインフレ率が厳格に決まっているという独特な仕組みを持っているため、その価値が上がっていくと予想されています。
なぜなら、マイナーがマイニング後直ちにコインを売却するという傾向を踏まえると、「ハルビング」によりビットコイン供給量が減少していく中、需要が一定または増加すると、価格が上昇する可能性が高くなるからです。
「ハルビング」でインフレ率を調整
ビットコインでは、「ハルビング」によってマイナー報酬が半分になるごとに、資産のストック・フロー比率(S2F:stock-to-flow ratio)が増加します。
ストック・フロー比率とは、「市場で流通している現在の在庫」と、「毎年市場に追加される新たな在庫」との相対的な関係を表す比率です。「金」や「プラチナ」などの資産の希少性を表すために使われる指標です。
ストック・フロー比率は、「ストック(市場に存在する量)」を「フロー(年間生産量)」で割って計算するので、この数値が高いほど、生産される量が少ない「希少性」のあるものということになります。
ビットコインは、4年ごとにこのストック・フロー比率が2倍、つまり現在の流通量と新規供給量の比率が2倍になることがわかっているため、「ハルビング」によって4年に一度新規供給量を半減させています。
プログラム上で発行枚数上限を2100万枚と固定され、「ハルビング」よって新規発行量が減少していくビットコインでは、このストック・フロー比率が時間の経過とともに高まっていくことがわかります。
ビットコインの価格は予測できる!?
下記のグラフはストック・フロー・モデルと言われるビットコインの価格予想を表すものです。
赤い線がストック・フロー比率を使用して予測したビットコインの今後の価格変動です。
カラフルな線はビットコインの実際の価格推移です。
色がカラフルな理由は、「ハルビング」の時期が近づくにつれて色が青くなっていき、ハルビングのタイミングで紫になることを表しているからです。
赤の予測とカラフルな実際の価格がかなり重なっていることがわかります。
また、ビットコインが紫の後に(「ハルビング」後)に、価格が上昇していいることもわかります。
ビットコインの価格の推移には、以下の2つの特徴があることがわかります。
1,ビットコインの価格はストック・フロー比率の増加に近い形で推移してきている
2,ビットコインは「ハルビング」のたびに、過去の高値更新を繰り返している
1回目の「ハルビング」は2012年11月に発生し、約12ドルから1年以内に1,150ドル近くまで上昇しました。
2回目は2016年7月に発生しました。「ハルビング」時の価格は約650ドルで、2017年12月17日には2万ドル弱まで価格が高騰していました。
その後価格は、このピークから1年の間に3,200ドル前後まで下落しました。
3回目の「ハルビング」は2020年5月11日に発生したばかりで、その価格はその後120%近く上昇しています。
もしビットコインが過去のようにこの推移を続けるならば、投資家は近い将来と長期的な将来の両方で大幅な上昇を期待できます。
理論的では上記のストックフローモデルに基づいて、2021年のいつかにはビットコインの価格は少なくとも10万ドルまで上昇する可能性があるといわれています。
しかしデータ分析会社バイトツリーのレポートなど、ストック・フローモデルを使った楽観的な価格上昇の考えを否定しているものもありますので、投資する際は楽観的になりすぎず、慎重に検討することをおすすめします。
ビットコインの今後
機関投資家もビットコイン投資に注目
個人投資家だけではなく、多くの機関でもビットコインなどの暗号資産への投資が始められています。
Square(SQ)、MicroStrategy(MSTR)、そして最近では保険大手のMassMutualなどが現金を保有する代わりにビットコインの積み立てを始めています。
合計で、12月17日時点で現在価値がある938,098ビットコインが19,450,247,760ドルで企業によって購入されており、そのほとんどが今年購入されています。
このような大規模な投資は、機関投資家の間でビットコインがインフレに対する良いヘッジになるだけでなく、ビットコインは長期的にしっかりとした価格上昇をもたらすという強い信頼感があることを示唆しています。
そして多くの企業がビットコインを購入するだけではなく、ビットコインを使用できるサービスを提供し始めています。
例えばPayPal(PYPL)は、3億6000万人以上のアクティブユーザーに暗号資産(仮想通貨)へのアクセスを許可することを決定しています。
また、2018年10月にスタートしたFidelity Digital Assetsは、以前から暗号資産の保管サービスを提供してきましたが、現在では顧客が取引の際にビットコインを担保として使用できるようにしています。
このようなサービスを追加しようとしている銀行や証券会社、その他の機関は数え切れないほどあり、企業が暗号資産に価値があるという確信を持っていることがわかります。
現在、世界中の中央銀行や政府も、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の可能性を検討しています。
これらは銀行や政府にルールやコントロールが委ねられているため「暗号資産」ではありませんが、紙の現金よりも高度な決済システムの必要性を政府が認識していることを示しています。
このことは、暗号資産の概念や一般的な利便性をさらに高めるメリットになると考えられています。
ビットコインの成長
ビットコインは2009年にリリースされた後、始めはほとんどがネットで麻薬を購入するための手段として使用されていました。
ビットコインとそのブロックチェーン技術が素晴らしい仕組みだと認識された後も、取引所のハッキングなどが原因で混乱してしまったため、一般的には危険なものだと考えられていました。
しかし今では、認可された使いやすい取引所が多数でき、テクノロジーに精通していない人でも利用しやすいものになりました。
また、デリバティブやブロックチェーン関連のETFの登場で、リスク許容度の低い投資家でも簡単に投資ができるようにもなりました。
ビットコインや他の暗号資産が決済として受け入れられる場所も急速に増えています。
大企業は、ビットコインが使用できるサービスを提供するだけではなく、企業自体がビットコインへの投資を行うことで、ビットコインの価値に対する信頼も見せています。
ビットコインが過去最高の高値を更新し、これまで以上に多くのインフラや機関投資を抱えている今、ビットコインの価値は安定しつつあります。
ビットコインは今、検証可能な希少性とブロックチェーンによる究極の透明性を提供する「新しい通貨」へと成長を遂げています。
ビットコインなどの暗号資産への投資を考えている人は、是非ビットコインの仕組みを理解した上で検討してみてください。
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