「あれもこれも」では成功できない!ユダヤ人に伝わるナポレオンとニシンのお話

今回はユダヤ人に伝わる「ナポレオンとニシンのお話」を紹介したいと思います。

ユダヤ人は頭脳が優秀で、成功者が多くいるといわれていますよね。
グーグルの創立者のラリー・ペイジ、セルゲイ・ブリン、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ、Dellのマイケル・デルをはじめ、世界中の大企業の創立者はその半分以上がユダヤ人だと言われています。

ノーベル賞やフィールズ賞(優れた数学者に贈られる賞)の授賞者も他の民族よりもユダヤ人が圧倒的に多くいます。

なぜそこまでユダヤ人は頭脳が優秀で、ビジネスでも成功できるのでしょうか。

脳を最も働かせる方法は「議論」?

頭を良くするためには、とにかくより脳を働かせることが重要です。
では、脳が最も活発に働いている時とは一体どういう時なのでしょうか?

それは感動している時や、怒っている時などの感情が激しく動いている時ではありません。
ましてや、ぼんやりしていたりテレビを観ている時ではもちろんありません。
人の講義や講演を聞いていたり、暗記をしようとしているときでもありません。
実は、脳というのは根源的な問題を議論しているときがもっともよく働いているといわれています。

議論好きのユダヤ人が、世界で最も成功者の多い民族である理由がここにあります。
ユダヤ人は議論することこそが大脳を鍛えて頭を良くし、「Wisdom(知恵)」の源泉であると考えているため、子供のころから議論によって頭のトレーニングを行っているんです。
ユダヤ教の本質は”Debating(議論すること)”にあると言われるほど、ユダヤ人にとっては頭を使うことが「生きること」そのものとなっているんです。

ユダヤでは、この議論をするための説話がたくさん伝えられています。
母親が子供に話す「成功の哲学」にまつわるお話もたくさんあります。
今回紹介する「ナポレオンとニシンの話」も、ビジネスや投資の成功に通じる興味深いお話なので、是非子供や周りの人達と議論する際のテーマにしてみてください。

ナポレオンとニシン

ナポレオンがヨーロッパを征服したとき、それぞれ征服した国の協力者に「お前たちに褒美をとらせるから、欲しいものをいいなさい」といった。

フランス人は「ワイン畑とワイン工場が欲しい」、ドイツ人は「麦畑とビール工場が欲しい」、イタリア人は「小麦畑と美味しいパスタ工場が欲しい」と申し出た。

ところがユダヤ人は「ニシンを2匹だけ欲しい」といった。

それを聞いた他国の人々は、「ナポレオン様がせっかくご褒美をくれるといっているのに、そんなちっぽけなものをもらって、ユダヤ人はバカだな」といって笑った。

※「ユダヤ式why思考法」より

ヨーロッパを征服したナポレオンからの褒美がニシン2匹だけとはとても質素ですよね。
ユダヤ人はなぜニシン2匹だけを褒美に選んだのでしょうか?

この説話には続きがあります。

実はこの後、「ナポレオンの褒美」が叶ったのはユダヤ人だけでした。
ニシン2匹という小さな褒美はすぐに叶えられ、ユダヤ人はニシンをもらって帰りました。
ところが、他の国の協力者たちの望みは大きすぎたのですぐには叶えてもらえません。そしてヨーロッパ征服後にナポレオンがすぐに没落したため、結局彼らは何も褒美を得られないままになってしまいました。

欲張らずに、すぐに叶えられる小さなことから着実に実践したユダヤ人だけが、褒美を手にすることができた、というのがこの説話の結末です。

こうしたユダヤ人の行動特性は、長い受難の歴史の中で身につけてきた生きるための知恵だと言われています。
迫害を受けてきたユダヤ人にとっては、民族が生き残るためには、日々の糧を得るお金が必要でした。
お金儲けは、そうした小さな利益の積み重ねであり、一攫千金をもくろんでも結局は何も手に入りません
他人にバカにされても、着実に手に入る日々の糧が一番大切だと、この説話から学ぶことができます。

また、この「ナポレオンとニシンのお話」のように、ユダヤの説話には時代の覇者の名前も度々登場します。
実はこのお話にナポレオンが登場することには、他の意味もあります。
このお話には、「権力は移りゆくもの」という意味合いも込められているんです。
現状で安定が長く維持されるものでないからこそ、今この瞬間で得られる利益を大切にすべきだというユダヤ人の考え方が表れています。

「あれもこれも」は手に入らない

「ナポレオンとニシンのお話」にも表れているように、ユダヤ人は「自分が儲けられる部分はどこか」ということを明確に理解しているため、お金儲けが得意だともいわれています。

特にユダヤ人は、短期利益を徹底的に追及する傾向にあります。
ユダヤ人が多く住むイスラエルにスタートアップ企業が多い事からも、そのことがわかります。
スタートアップ企業が多く上場するナスダックでは、実はイスラエルの企業は米国に次いで多く上場しています。

新たなビジネスモデルを開発して一気に成長させ、上場後に米国の企業に売却して短期利益を狙うというのが、ユダヤ人が得意とする短期利益の出し方です。
スタートアップ以降は、事業として展開・拡大していくのが得意な米国などの企業に任せて、自分たちは最も得意とする部分に集中して利益を出そうという戦略をっています。

ユダヤ人のビジネスの方法から、自分は「どこで儲けるのか」のスタンスを明確にすることが大切だということがわかります。
「あれもこれも」は手に入らないので、自分の強みを最大限に活かした方法で効率的に利益を出す方法を考えることが重要という思考も、ユダヤ人が成功している理由の一つと言えると思います。

この考え方はビジネスだけではなく、投資にも言えることだと思います。
「あれもこれも」と欲深く利益を追求するよりも、自分のリスクを許容度や自分が持っている知識のレベルを理解して、自分の投資に対して確実なリターンを得ることに集中した方が賢明だと思います。

ユダヤの説話は子供の思考力を上げる

是非ユダヤに伝わる説話をお子様にも話してみてください。
結末を話す前に必ず、なぜユダヤ人はご褒美に「ニシン2匹」を選んだのかを子供と話し合ってみてください。
「なぜ?」と考えることで子供の思考力はどんどん伸びていきます。
答えが合っているか間違っているかに関係なく、「なぜ?」と考えて議論することで思考力をあげることができます。
AIに負けない子供とは?必要とされる2つの能力

思考力を上げるための「議論する」という習慣は、子供のころから繰り返すことで身に着いていきます。

是非お子様とたくさんの「なぜ?」についてお話してみてください。

他にもユダヤの説話を紹介していますので、是非読んでみて下さい。
【ユダヤの逸話】子供の頭を柔軟にする「ふたりの泥棒」のお話
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ユダヤ人の子供が「魔法のザクロ」から学ぶ「成功の法則」
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投稿者: Hiroko mama

カリフォルニアで夫と3人の息子と暮らしています。 早期リタイアのために米国株式投資で資産形成を始めました。 金融リテラシーを高めるために日々勉強中です。

「あれもこれも」では成功できない!ユダヤ人に伝わるナポレオンとニシンのお話」に6件のコメントがあります

  1. こんばんは!
    ニシンのお話を小学生の息子にしてみました〜!
    ニシンを育てて卵粉を増やして売る、と答えてました^^

    ディベートは思考トレーニングになりますよね。大人にも必要、と感じています!

    いいね

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