子どもの「しつけ」と将来の収入には関係がある!?幼児期のしつけの始め方

今回は子供の将来の収入に大きく関係する「しつけ」や「家庭のルール」作りについてお話したいと思います。

―目次ー

・「しつけ」と将来の収入の関係
・幼児期の「しつけ」のポイント

・「家庭のルール」を作ろう
・「しつけ」が身につかない原因は?

「しつけ」と将来の収入の関係

神戸大学が行った研究で、子供のころのしつけと、現在の収入との関係を調べた調査があります。
その結果、きちんとしつけをされていた人は、そうでない人に比べて、年間の所得が約86万円高いということがわかったそうです。

この調査では、4つのしつけについて調査されています。
1,勉強をする
2,ルールを守る
3,他人に親切にする
4,嘘をついてはいけない


4つともきちんと教えられていた人の平均所得は約479.6万円であったのに対して、1つも教えられなかった人の平均所得は約393.4万円でした。
このように、幼少期のしつけが大人になってからの収入に関係してくることがわかっています。

「しつけ」とは、一言でいえば自分をコントロールする術を身に着けることです。
具体的には
・基本的生活習慣
・対人関係(社会)でのルール

の2つです。

つまり「しつけ」がきちんとされている子というのは、自己コントロール能力が高い子供ということになります。
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自己コントロール能力は、「成功するために一番必要な能力」だと言われているので、しつけと子供の将来の収入に関係があることは納得ができます。しかし、実際には何をどうすればいいのかよくわからないという人も多いと思います。
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なので、次に幼児期のしつけのポイントを紹介したいと思います。

幼児期の「しつけ」のポイント

「しつけ」の基礎

最初からあれもこれもと厳しくしても、子供は守ることができません。
的を絞って順番に行う必要があります。
まず「しつけ」の基礎になる4つの項目に関してみていきましょう。
・わがまま
・いじわる
・うそ
・反抗

この4つに関しては、必ずその都度しっかりと叱ることが大切です。
ティッシュを箱から全部出してしまう(”童業” わらべわざ)などの、子供特有の「いたずら」とは違い、上の4つのような行動を叱らずに見逃してしまうと、大人になっても続けてしまい、社会になじめない人間に育ってしまいます。
この4つのルールを破ったときはしっかりと叱ることがしつけの基本になります。
この4つの基礎の上で、他のしつけを身につけさせていきましょう。

「しつけ」の基本が詰まっている「食事のマナー」

食事には、さまざまな所作が含まれているので、しつけの基本になると言われています。
幼児期は、周りのおもちゃなどが気になって遊びながら食べてしまうことがよくあります。
この場合、食事の時間を決めて(30分から40分)、時間が来たら食べ終わっていなくても片付けてしまうことが大切です。
もちろんその場合お菓子やデザートもなくなります。
それを続けていると、自然と子供は食事の時間は食べることに集中するようになります。

◆ポイント:因果関係を表す言葉を会話に入れる◆

因果関係を表す言葉を会話に取り入れることで、なぜそのようなルールになるのか、ということが理解できるようになります。
例えば、「ご飯を食べるから、おもちゃは片付けてね」や、「食べ物が喉に詰まったら危ないから、座って食べようね」などと言った声掛けです。
その時の状況に応じで、どう行動したらいいかということが少しづつわかるようになってきます。

「待つしつけ」・「我慢のしつけ」

小さい時からなんでも自分の思い通りになるような子育てはせず、我慢の訓練をさせることが大切です。

何でもすぐには与えず、「ちょっと待ってね、今手が離せないから」と言って少し待たせましょう。
ほんの数秒待たせて、待つことができれば「待ってくれてありがとう!」とほめてあげてください。そして少しずつ待つ時間を長くしていきましょう。
日頃からむやみにものを買い与えないことも大切です。
おやつも子供が欲しがるままに与えるのではなく、親が決めた分量で満足できるようにすることも大切です。

◆ポイント:我慢の練習に「約束」を使う◆

子どもとの間でお約束をして、それを守らせることで、我慢ができるように促すことができます。
例えばお買いものに行く前に、「お店の中では走らないでね、お母さんのそばにいてね」といって、上手にできたら褒めてあげる。

日常生活の中で取り入れられるちょっとした約束を会話に取り入れて、小さな「我慢」を積み重ねることができます。
このようなことを習慣にすることで、子供に「我慢すること」を身に着けさせることができます。
出来た時には大げさに褒めてあげることで、「何がやってはいけないことなのか」、「約束を守ることの大切さ」を学ぶことができます。

「家庭のルール」を作ろう

「しつけ」の基礎が身についてきたら、「家庭のルール」を作り、ルールを守ることの大切さも学ばせましょう。

「家庭のルール」はバランスよく

子どもが反抗的な態度を日常的に親に取っている場合、「家庭のルール」に問題があることがとても多くあります。

「家庭のルール」に問題がある場合、大きく2つのパターンに分けられます。
・オーソリテリアン(Authoritarian)・・・厳しすぎる
・パーミッシブ(Permissive)・・・甘すぎる

「家庭のルール」がはっきりしなかったり、子供が家庭の中で王様のような存在になってしまっていたり、自主性を重んじようと何でも子供の好きにさせていたりすると、結果的には子供の将来を暗いものにしてしまいます。かといって、親が子供をコントロールしすぎてもいけません。
その中間の「オーソリティティブ(Authoritative)」と呼ばれるバランスの取れた、厳しさと甘さの中間が最も理想的な子育てだと言われています。

また、適切な時の親の厳しさは、大切な「敬(リスペクト)」の心を育てるためにも必要です。問題行動を繰り返す子供の家庭にはこの「リスペクト」が存在していないというのも共通してよくみられることです。

「いけないことはいけない」と教えるためには、親の毅然とした態度が必要です。
そのためには、何がいけないのかという基準になる「家庭のルール」が重要になります。
「家庭のルール」がしっかりと決まっていないと、親も子供に叱るタイミングがよくわからなくなってしまい、子供が反抗的な態度に出た時に、子供に向かって暴言を吐いてしまう事にもなりかねません。
「家庭のルール」をしっかり作れば、親も子供も快適に過ごすことができるようになります。「家庭のルール」はわかりやすく明確に作っていきましょう。
「家庭のルール」を作る際には2つのポイントがあります。

1,ルールに一貫性を持つ

「家庭のルール」に一貫性を持たせるためには、以下の3つの点を気を付けてみてください。
その時の親の気分や都合で決めた内容を変えない
・守れなかったときの叱る基準を変えない
・夫婦間で基準を合わせる


「家庭のルール」に一貫性を持たせることで、子供は「何をしていいのか」、「何をしてはいけないのか」、「何をするべきなのか」をはっきりと理解できるようになります。
子どもが「家庭のルール」をはっきり理解できるようになると、より短い時間で望ましい行動を身に着けることができるようになります。

2,繰り返し伝えること

根気よく繰り返し伝えることで、子供の心の中に「家庭のルール」をしみ込ませることができます。
「家庭のルール」を絵や文字にして貼っておくなどの工夫も必要になるかもしれません。
「家庭のルール」がしっかりと子供の心にしみ込むと、自然と正しい行動がとれるようになり、社会に出てもルールの中で自分らしい能力を発揮できるようになります。

「罰」の上手な使い方

ルールを守ることを学ばせるうえで、「罰」を上手に使うことも必要になってきます。

この「罰」は、上手に活用しないと意味のないものになってしまいます。
「〇〇しないと、□□できないよ!(させないよ)」というのは、親がよく子供に言うセリフですが、実はこのような言葉は使わない方がいいとされています。子供を脅すような言葉を使うと、子供の信頼を損なう事になるからです。
あくまでも親が子供にさせたい行動をさせる前提で、子供に選択肢を与えるやり方の方が、子供との信頼関係を壊さない上に、より効果的な方法です。

例えば親が子供をお風呂に入れたい場合、

「今すぐお風呂に入るのと、5分遊んでからお風呂に入るのどっちがいい?」と聞きます。
この時、「今すぐ」でも「5分後」でも、結局は「お風呂に入る」という、親が子供にさせたい行動を限定しているので、親に主導権があることになります。しかし、「今すぐ」か「5分後」か、と言う選択肢を子供にも与えています。
そうすると、不思議なことに実際は親が決めた行動をとらなくてはいけない選択肢にも関わらず、子供は自分に主導権があるというように錯覚するそうです。
そのため、ルールに従わせることがよりスムーズになります。
そして「今すぐ」か「5分後」かを自分で選択しているので、自分の行動にも責任が生まれます。
この方法を使う時は、次のようなステップを踏んでください。

選択肢を与える

子どもがいう事を聞かない

もう一度選択肢を与える

子どもがいう事を聞かない

選択肢をもう一度与え、「次約束を守らなければ罰を与えるよ」と予告する(前もって予告することがとても大切です)
与える罰の内容もはっきりと伝えます(「このおもちゃを取り上げるね」など)

子供が言う事を聞かない
予告通り罰を与える

これを繰り返すうちに、子供は親のルールを守らないことは自分にとって利益にならないということを、自然と理解するようになります

「しつけ」が身につかない原因は?

言えば言うほど逆効果?

いくら親が「しつけ」を頑張っても、まったく身につかない場合もあります。むしろ「言えば言うほど逆効果」ということもありますよね。
それは、子供の「自己肯定感」が育まれていない場合があります。

人間が生きていく上で一番大切なことは「自己肯定感」を持つことです。
この土台は0歳から3歳くらいの間に育まれます。
この「自己肯定感」を土台にして次に可能になるのが「しつけ」と「生活習慣」です。
これがだいたい4歳から6歳の間に身についていきます。
さらにこの「自己肯定感」を「しつけ」を土台にして初めて「勉強」が可能になります。
しっかりと自己肯定感を育み、しつけを身に着けた子は、7歳くらいになると自然と色々な物事に好奇心を持つようになります。この時期にきちんと教えてもらうと、自然とたくさんのことが身に付くようになります。
小学校の勉強が6、7歳から始まるのにはこのようにきちんとした理由があります。

問題行動を起こす子どもは「自己肯定感」が低いという共通点があります。「自己肯定感」が低い子供に「しつけ」や「勉強」を教えようとしても、身につかない上に逆効果になる場合があります。すでに低い「自己肯定感」をさらに下げてしまう可能性があるからです。
もし子供の問題行動が続くときは、「しつけ」や「勉強」のことはいったん忘れて、まずはしっかりと「自己肯定感」を育むところから始めてみてください

子どもの「自己肯定感」を高める7つの接し方

1,丁寧に接する
子どもを自分とは違う一人の人間として丁寧に接すること。
2,感動する
子どもの日々の成長を当たり前のことと思わずに、小さなことでも感動すること。
3,感謝する
お手伝いなどを手伝ってくれたり、一緒に何かをしたときに「ありがとう」、と心からの感謝を伝えること。
4,認めて、褒めてあげる
子どもを認めて、褒めてあげたり、頼ったりすると、子供は明るくなり、イキイキと輝いていきます。
5,口での過保護を避ける
子どもが行動する前に、「ああしなさい、こうしなさい」と指示を出してしまうことは、子供に「あなたにはできない」と言ってしまっているのと同じことです。
失敗する様子を見守ってあげてください。
6,完全主義にならない
子どものことを常に「成長の過程にいる」という目で見てあげること。
7,いつも笑顔で接する
親がいつも笑顔でいると、肯定が肯定を呼び、子供も明るくなり、親の言う事を素直に聞けるようになります。

それでもだめなら一旦諦める!

「家庭でのルール」や「しつけ」についてお話しましたが、全部上手にできる母親や父親なんてそういないと思います。
子どもがしっかりしてくれないと、まるで「ダメな親」という烙印を押されたような気持ちになってしまったり、子どもの一挙手一投足に親の名誉がかかっているような気持ちになってしまう人もいると思います。

しかしすべてうまくできる子もいなければ、すべてうまくできる親もいないので、どんな子育てだとしても、「うちの子もいいところがいっぱいあるし、私も結構いい子育てしてる」と自分の子育てを肯定してあげてください。
子育てで悩んだことが一度でもある人は、一生懸命子育てをしている証拠だと思うので、そのような悩みを持っている時点でその人は「いい子育てをしている」ことは事実だと思います。

子どもを肯定することと同じように、頑張っている自分自身の子育てを肯定することも大切だと思います。

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投稿者: Hiroko mama

カリフォルニアで夫と3人の息子と暮らしています。 早期リタイアのために米国株式投資で資産形成を始めました。 金融リテラシーを高めるために日々勉強中です。

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