節約の第一歩は税金の控除から!ふるさと納税は「きふと、」を選ぼう

今回は、国民の三大義務の一つである納税に関連する「税金」についてお話します。
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「税金」と聞くだけで頭が痛くなるような気がしますが、税金を調べてみると、その国の在り方や考え方が見えてきて面白かったりもします。
是非お子様に税金の仕組みについて教えたり、一緒に考えてみて下さい。
また、「ふるさと納税」の「きふと、」というプロジェクトを利用すると、「寄付」について子どもと一緒に考える機会にもなります。
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節税ができる「所得控除」についても書いてあるので、是非最後まで読んでみて下さい。

ー目次ー

・「税金」は何のために支払うの?
・節約はまずは「所得控除」から

・「ふるさと納税」で寄付をしよう!

「税金」は何のために支払うの?

税金はコミュニティの維持費

国家という体制が整っていなかった時代は、みんな自分の身は自分で守っていました。自分で土地を管理したり、武装して身を守ったり、火事になったら火を消したり。
しかしこれらを全部自分たちで行うのには限界があります。
そこで、地域や集落を単位として、「自分の安全を脅かす危険に対しては、集団で対策を練ろう」となりました。プロの警備団や消防団を雇ったり、消防装置を設置したりということを始めました。
しかしこれらには当然費用がかかります。みんなの利益のために払われる費用だから、みんなで少しづつ負担しよう、これが「税金」の考え方です。
なので、税金を一言でいうと、「コミュニティを維持するための必要経費」ということになります。

税金はコミュニティの生活を向上するために必要な費用なので、警備団や消防団に限った話ではありません。道路を作ったり、色々なことをするためにお金を集める必要が出てきます。
規模が大きくなってくると、これを管理する人が必要になってきます。税金を徴収したり、払いすぎた人に返金したり、という仕事が必要になります。このような税金の管理をしているのが税務署です。
そしてこの税金をどうやって使うのかという使い道を決める人も必要になってきます。住民の代表として、この税金の使い道を決めるのが政治家です。

何に税金をかけるかという「税金の集め方」によって、街が形づくられることもあります。
昔の京都では、道路に面した部分の長さで、その家が支払う税金の金額を決めていました。その結果、京都の家はみんな入口がとても狭く、奥行きのある造りになったそうです。生活の便利さやデザイン性ではなく、税金対策としてそのような造りになっていたんですね。

「大きな政府」と「小さな政府」

税金が決める国の形はその国によってさまざまですが、大きく分けると「大きな政府」と「小さな政府」というものがあります。どちらが正しいということではないので、自分たちにとって一番いいバランスを探していくということになります。

「大きな政府」にすると、公共サービスを充実させることができますが、当然税金も高くなります。
一方「小さな政府」にすると、税金をあまり支払わなくて済む分、公共サービスを充実させることができません。アメリカや日本は小さな政府の部類に入ります。

日本は、先進国の中でも公務員が非常に少ない「小さな政府」です。北欧諸国などでは、労働している人のおよそ3人から4人に1人が公務員であるのに対し、日本では、働いている人のうち公務員は、およそ16人に1人です。(OECD(経済協力開発機構)の報告書「Government at a Glance 2017」より)
ですが日本は税金の1/3以上を社会保障費に使う、福祉国家としての一面も持っていて、世界でも珍しい国です。

直接税と間接税

税金には大きく分けて二種類あります。
①直接税・・・所得税、法人税など
収入のあった人が直接税務署に納める税金。

➁間接税・・・消費税、酒税、たばこ税など
税金を負担する人と、納める人が違う税金。
消費税を例にとると、商品の価格に上乗せされた消費税を払っているのはお客さんですが、実際にあとでまとめて納税するのはお店なので、税金を負担する人(お客さん)と税金を納める人(お店)が違うので、これは間接税になります。

直接税と間接税の比率を「直間比率」といい、この比率は国を形作る上で重要になります。
直接税の比率が高い国は景気が悪化した場合に一気に税収が減ってしまう可能性があります。しかしお金をたくさん稼ぐ人からたくさん税金を取るという、所得の再分配の効果も見込めます。
間接税が高い国は、所得の高い低いに関係なく、同じ税率が課せられるので、景気に左右されにくくなります。しかし、所得の低い人の負担が増えてしまうという側面があります。

世界的な標準では、直間比率は50%ずつが良いバランスだと言われています。
以下は日本と他国の直間比率の割合です。

日本は直接税の割合の方が多いため、間接税、つまり消費税を上げるべきだという意見もあります。

みんなで買えば安くなる?カナダの「ドーナツフレンド」

消費税を上げると言っても、全部の消費税を上げてしまうと、所得の低い人にとっての負担が大きくなってしまいます。そのため、全部の消費税を一律に上げるのではなく、食料品や生活必需品からの消費税の税率を抑える「軽減税率」と言う方法があります。
日本でも、2019年10月からの消費税の増税に伴って、消費税の軽減税率制度が導入されました。この制度が導入されたことによって、食料品に関しては8%の据え置きですが、生活必需品ではないお酒は10%というように、対象によって税率が変わります。

軽減税率は海外でも適用されています。生活必需品が適用で、贅沢品は適用除外という基本の考え方は日本と同じですが、国によって基準が違って面白いので、少し紹介していきます。

◆イギリス

イギリスでは、税率が変わる食料品に関しての基準に「温度」があります。
調理をして、気温より高い温度になる料理については軽減税率が適用されません。イギリスの代表的な料理の「フィッシュ・アンド・チップス」も、温度が気温より高いため適用されません。
「アイスクリームは」気温より低い食品ですが、贅沢品なので適用外になっています。

◆カナダ

カナダでは、ドーナツを同時に5個までの購入をする場合、軽減税率は適用されません。しかし、6個以上買うと、軽減税率が適用されます。一度に6個以上ドーナツを買うと少しドーナツが安く買えるので、たまたま近くにいた人と一緒に6個以上のドーナツを買って、あとで分けるということをする人達がいるそうです。その場にいた人同士が一緒にドーナツを買っていたため、この人達を「ドーナツフレンド」と呼ぶそうです。

◆フランス

フランスでは、雑誌類、映画鑑賞、観劇に軽減税率が適用されます。
「文化に税金をかけてはいけない」というフランスらしい理由があります。

節約はまずは「所得控除」から

所得税の控除の仕組み

会社が社員の所得税をまとめて支払う「源泉徴収」という仕組みが日本にはありますが、これは意外と世界では珍しい仕組みです。アメリカでは、所得があった人は全員確定申告をする必要があります。

所得税は、個人の所得にかかる税金です。収入ではなく所得なので、収入から経費を差し引いたお金に税金がかかります。
「所得税=所得(収入から経費を引いた額)ー控除額」

自営業であれば、交通費などを必要経費にして所得を下げて税金を減らす事もできますが、サラリーマンの場合それはできません。しかし「所得控除」で税金を下げることはできます。同じ所得の人でも扶養家族によって税金の金額が変わってきます。(「配偶者控除」「扶養控除」)
これ以外にも生命保険に加入したり、多額の医療費を支払った場合などに、控除を受けることができます。日本で受けられる所得控除は現在15種類あります。

控除対象や金額についてはこちらを参照ください:国税庁「所得から差し引かれる金額」(所得控除)
せっかく合法的に税金を減らせる仕組みがあるのですから、使わないのはもったいないですよね。家計の節約は、まずこの「控除」を使って「節税」することから始めてみてください。貯蓄や投資に回せるお金を増やす事ができます。

サラリーマンなどの確定申告が必要のない人でも、還付申告をすればお金が戻ってくる場合があります。
還付申告は対象になる年の翌年1月1日から5年間は申告することができます。そのため、確定申告の期限後であっても、申告をした年に一定額の医療費を支払ったり、住宅ローンを組んだりした場合など、還付申告の対象になる場合は還付を受けることができます。所得控除の対象に自分が当てはまる人は、是非「還付申告」をしてください。
国税庁 還付申告

「ふるさと納税」で寄付をしよう!

ふるさと納税

ふるさと納税は、「納税」という言葉が付いているので、「税金を納める方法の一つ」と思われている人もいますが、実際は「寄付制度の一つ」です。
自分が「応援したい」と思った地方自治体に対して、「ふるさと納税」をする、つまり「寄付」をします。年収などの条件によって決まる上限額の範囲内で寄付をして、その寄付額を確定申告で申告します。すると、寄付した分の金額が、もともとその年の納税額(所得税と住民税)から控除されます。
「ふるさと納税」は、自分が応援したいと思った自治体に、税金として払うはずだった金額を寄付することができるという制度です。
ふるさと納税についてはこちらでチェック 総務省 ふるさと納税ポータルサイト

ふるさと納税をするためには自己負担額が2,000円かかります。寄付額から2,000円を差し引いた金額だけ、納税額(所得税および住民税)が減るということになります。
なぜ自己負担額があるにも拘わらず、ふるさと納税が注目されているかというと、寄付をした自治体から「返礼品」をもらえるという仕組みがあるからです。もちろん、純粋に自分が生まれ育った故郷を応援したい人や、災害などの被害で大変な思いをしている地域を助けたいという思いから寄付をしている人もたくさんいると思いますが、近年「ふるさと納税」が注目されている大きな理由は「返礼品」と言う制度にあります。

誰かのために品物を送る「きふと、」

「返礼品」はもともとあった制度ではなく、ある自治体が行った結果、全国の自治体へと広まっていきました。
もともと支払う必要がある税金を、「ふるさと納税」をすることで自分の好きな自治体に寄付することができ、その結果「返礼品」としてその地域の特産品がもらえるということになります。
しかしその結果自治体同士の返礼品競争が始まってしまい、現在は返礼品として三割を超えるものや地域の特産品ではないものを送付してはいけないというルールがあります。

このような問題もあり、2017年に群馬県前橋市が始めた「思いやり返礼品」と言う新しい「返礼品」の形があります。
「思いやり型返礼品」とは、寄付をすることで「自分のためでなく誰かのためになる」返礼品や、「社会貢献に繋がる」返礼品のことです。この「思いやり型返礼品」は、2017年7月に群馬県前橋市が始め、取り組みに賛同した岩手県北上市も2018年より開始しました。
思いやり型返礼品を全国に広めるプロジェクト「きふと、」は、全国の自治体・団体にプロジェクトへの参画を呼びかけ、寄付者からふるさと納税での応援を募ります。
自分が品を受け取るのではなく、誰かに返礼品を送ったり(直接支援)、障がい者福祉施設等で作られた品を受け取る(間接支援)ことで、地域のNPOや児童養護施設などの支援に繋げることができます。

この「きふと、」プロジェクトには4つの分類があります。

障がい者支援施設などで作られた製品を返礼品として選ぶことで、施設で自分の能力を活かし働く方々に、対価とつくる喜びを届けることができます。

車いすの寄贈など、困っている人の手助けとなる商品やサービスを、寄付者からプレゼントできます。

NPOや障がい者支援施設、コミュニティ活動団体、職業訓練学校など地域で活躍する団体への協賛金になります。

実際に参加しながら街を元気にする新しい支援方法です。寄付金はイベントの参加費に活用されます。

群馬県前橋市が始めた「きふと、」というプロジェクトは、「返礼品」によって寄付をするという本来の目的を見失いつつあった「ふるさと納税」という制度を、もう一度見直す素晴らしいプロジェクトだと思います。是非チェックしてみてください。
きふと 思いやり返礼品プロジェクト

災害などで困っている地域など、寄付先をお子様と一緒に探すのも「慈善教育」になって良いと思います。

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投稿者: CA life

カリフォルニアで暮らしています。 早期リタイアのために米国株式投資で資産形成を始めました。 金融リテラシーを高めるために日々勉強中です。

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