地理的アービトラージは日本人に有利!最速で早期リタイアを実現する方法

充実した時間をいかに過ごすかで、人生の満足度は変わってきます。そしてできる限り充実した時間を過ごすためには、その「時間」を買うためのお金が必要になります。
今米国では若い人達の間で「FIRE」と呼ばれる早期リタイアの思想が広がっています。お金のために働くのではなく、自分の自由な時間を大切にして、働くことを人生の選択肢の一つにするという考え方です。
そのためには資産運用が必須になりますが、最も最速でFIREを実現させられるのが「地理的アービトラージ」という方法です。日本や米国でお金を稼いでいる人は、この方法が使える有利な立場にありますので、是非最後まで読んでみて下さい。

―目次ー

・働かない人生を手に入れるための「FIRE」
・地理的アービトラージって?

・ロングステイしたい国一位のマレーシアで地理的アービトラージ
・移住だけじゃない!地理的アービトラージで世界旅行

働かない人生を手に入れるための「FIRE」

働くことは選択肢の一つ

近年日本でも”FIRE: Financial Independence, Retire Early”と呼ばれる「早期リタイア」が話題になっていますよね。
1日も早く「働かない人生」を!貯蓄率を上げれば誰でも早期リタイアはできる!
FIREと言うと、「RE」の “Retire Early”、つまり「早期リタイア」の方が注目されがちですが、どちらかと言うと大切なのは「FI」の”Financial Independence”の方です。
“Finance Independence” とは「経済的自立」と言う意味で、現実的な選択肢を持ち、自由にできる経済力を持つことを言います。
つまり働かなくても生活できる状態のことです。
そのためには自分の労働力を使わずにして得る「不労所得」が必要になります。
不労所得には、不動産による家賃収入や配当金、利子所得などがあります。著作権使用料(印税)なども不労所得になります。
10分でわかる!インデックス投資で楽しいリタイア人生を叶える方法
FIREの最も一般的な方法は、インデックス投資で資産形成をして、「4%ルール」と呼ばれる資産の4%を毎年取り崩しながら生活する方法です。
4%ルールの出口戦略で一生お金に困らない人生!
1億円の資産があれば、毎年400万円取り崩しながら生活することができます。インデックス投資では年5~7%で運用ができ、取り崩した以外の資産は運用を続けるので、この「4%ルール」を活用すれば、96%の確率で30年間資産が残り続けるという実験結果があります。むしろ30年後の資産は増えています。この実験ではインフレ率も考慮されています。
つまり1億円の資産を築いた時点で働く必要がなくなり、自分の好きなことをする生活を送ることができるということになります。

しかし仕事を辞めて自分が本当にやりたかったことをする生活は憧れますが、実際1億円の資産形成をするというのは難しい話で諦めてしまう人も多いと思います。
そこで今注目されているのが「ジオ・アービトラージ(Geo-arbitrage)」という方法で、日本語では「地理的アービトラージ」とも呼ばれています。

地理的アービトラージって?

日本人は有利なポジションにいる!?

「FIRE(早期リタイア)したいけど、1億円も貯めるなんて無理!」と思っている人が実際はほとんどだと思います。
よほど高所得の方ではない限り、一般のサラリーマンで1億円の資産形成をする事にはものすごい時間がかかるので、結局早期リタイアは難しくなっていきます。起業したり、副業で成果を上げない限り、1億円を作るのは実際には夢の話です。

では5,000万円だったらどうでしょうか?1億円の半額です。もしくは3,000万円だったらどうでしょう。1億円の三分の一以下なので、かなりハードルが下がります。
しかし3,000万円の資産の4%というと年間120万円の不労所得です。いくら早期リタイアできても、1か月10万円ではどう考えてもひもじい生活しかできませんよね。
「やっぱり早期リタイアなんて無理なんだ、、、」と思っている人に、新しい価値観をもたらしてくれるのが「地理的アービトラージ」と言われる方法です。

「アービトラージ」とは「裁定取引」のことで、「サヤ取り」という意味があり、金利差や価格差に注目する投資の手法のことを言います。
ここに「地理的」と言う言葉が入る「地理的アービトラージ(Geo-arbitrage)」とは、地域もしくは国ごとの物価の違いを利用して収支をやりくりする方法です。
つまり、通貨が強い国(米国、日本)でお金を稼ぎ、通貨の弱い国(メキシコ、タイ、マレーシアなど)で生活するという方法です。

リモートが当たり前になるこれからの時代、米ドルや日本円を稼ぎ、物価の安い東南アジアに住むという「地理的アービトラージ」をする人が増えるだろうと言われています。

どれくらい物価が違うの?

では実際に日本と他国の物価の違いを見てみましょう。
NUMBEOというサイトで、世界中の物価や家賃、投資物件、生活の質、犯罪の数などが比較できます。

こちらは世界の生活費(家賃を含めた消費財価格)をレベルごとに色分けした地図です。緑は物価が安く、黄色、オレンジ、赤となるにつれて物価が高くなります。

Copyright © 2009-2021 Numbeo.

このサイトの生活費指標は、食料品、レストラン、交通機関、光熱費などの消費財価格の相対的な指標で、ニューヨーク市に対する相対的なものになっています。
ニューヨーク市はそれぞれの指標が100(%)となっているので、例えば他の都市の生活費指数が120であれば、その都市の平均生活費はニューヨークよりも20%高いことを意味します。また、ある都市の生活費指数が70であれば、その都市の平均的な生活費はニューヨークより30%安いことを意味します。

国別で見てみると、日本は59.23で、世界で14位です。地図でも赤くなっている通り、日本は生活費指標が高い国、つまり物価が高い国に入ります。
では地理的アービトラージができる移住先として人気の東南アジアの指標を見てみましょう。

タイ33.5658位
ベトナム26.6385位
マレーシア25.7893位
インドネシア24.4799位

日本の半分以下の生活費で生活できるということがわかります。
詳しい生活費指標の国別の順位はこちらをチェックしてみてください:Cost of Living Plus Rent Index by Country 2021

逆に日本より上位にある国に移住すると、この地理的アービトラージを使うことができないということになります。
スイス、香港、シンガポール、オーストラリア、デンマークなどが当てはまります。

同じ国でも都市によって変わるので、都市別のランキングはこちらを参考に:Current Cost of Living Plus Rent Index by City
都市別で見ると、上位にはスイスと米国の都市がたくさん入っていることがわかります。ちなみに日本で一番上位に来る都市は東京都で、世界では48位になっています。

生活を決めるのは国や宗教や文化ではなく「所得」

「早期リタイアは魅力的だけど、東南アジアでの生活は想像できない、、、」と言う人も多いと思います。
日本とは宗教も文化も全く違う国で暮らすことに抵抗がある人も多いと思いますが、人の生活を決めるのは国でも宗教でも文化でもなく、その人の「所得」だと言われています。

「ドル・ストリート”Dollar Street”」という面白いサイトがあるので、是非一度見てみて下さい。ドル・ストリートは、外に出なくても旅行気分を味わいたい人たちに、世界について学んでもらおうと開発されたものです。世界中の人がどんな暮らしをしているかを、家から一歩も出ずに知ることができます。
ドル・ストリートでは1本の長い通り沿いにすべての家が所得順に並んでいて、最も貧しい人達は通りの一番左側に住み、最も豊な人達は右端に住んでいます。
ドル・ストリートのお隣さんは、世界中にいる同じくらいの所得の人達ということになります。
これを見ると、国が違っても所得の同じ人達の間には共通点があって、逆に国が同じでも所得が違えば暮らしぶりは全く違うということもわかります。人々の暮らしぶりに一番大きな影響を与えている要因は、宗教でも文化でも国でもなく、収入だという事がドル・ストリートでよくわかります。
日本で生活していても所得が低ければ豪華な暮らしはできませんし、逆に日本では低い所得でも、他の国ではお姫様のような生活が可能になります。
Dollar Street – photos as data to kill country

地理的アービトラージに人気のマレーシア

ロングステイしたい国14年連続一位のマレーシア

日本人が地理的アービトラージとして注目する国の一つにマレーシアがあります。
一般財団法人ロングステイ財団が行う「ロングステイ希望国・地域」というランキングで、マレーシアは14年連続で一位になっています。
他にもタイ(2位)、フィリピン(4位)、インドネシア(7位)、ベトナム(8位)、シンガポール(9位)など、東南アジアの人気がわかります。

なぜ東南アジアの中でもマレーシアが長年人気があるのかには、以下のような特徴が上げられると思います。
・英語が公用語
・中国語、マレー語を子どもに学ばせられる
・文化や宗教に多様性があり、外国人に抵抗がなく親日家も多い
・街がきれい
・気候が安定している(日中の平均気温は27~33度)
・地震や台風、火山、洪水などの自然災害がほとんど起こらない
・家事をする習慣が薄く、外食中心で家事の負担が少ない
・高原やビーチなどの自然がたくさんある
・シンガポールなどで都会の遊びも楽しめる
・日本との時差が1時間ほどしかなく、飛行機で6~7時間の距離
・飛行機で2~3時間でASEAN諸国、香港などに旅行に行ける
・海外の源泉が非課税になる
・海外の名門校の分校などもたくさんあり、国際レベルの教育が受けられる
・サーフィン、ダイビングなどのマリンスポーツが楽しめる
・子どもを育てやすい環境(マレーシアの国教はイスラム教なので「子どもは資産」という考えの人が多い)
【ユダヤ式家庭教育】子どもの才能を「引き出す」ための5つの方法

3,000万円貯めたら東南アジアでセミリタイア!

では、日本の東京で暮らす場合と、マレーシアのクアラルンプール(マレーシアの首都)で生活する場合を比較してみましょう。
Cost of Living Comparisonでは、自分が住んでいる都市と、移住したい都市の物価の違いをチェックすることができます。
以下のページでは、自分が住んでいる都市で支払う生活費でのレベルの生活が、他の都市だといくらでできるのかがわかります。Cost of Living Calculator
このサイトで比較すると、日本の東京での生活費30万円は、マレーシアのクアラルンプールでの12万7,386円の現地購買力と同じだとわかります。(両都市で家賃を支払っていると仮定しています)。
つまり日本で1か月30万円で生活している人は、マレーシアでは約13万円あれば同じような生活ができるということになります。半分以下で同じ生活ができるということですね。
詳しい物価の違いはこちらを参考に:Cost of Living Comparison Between Tokyo and Kuala Lumpur

地理的アービトラージを活用すれば、母国に住む同世代よりも何十年も早く経済的自立に到達することができます。
3,000万円の資産を運用して毎月10万円の不労所得があれば、リモートワークで日本円を稼いだり、現地で働いて月に数万円稼ぐだけで、日本ではとうてい叶えられないような生活が、マレーシアでは充分に実現可能だということになります。
プール付きの家に住み、お手伝いさんを頼んで家事をお願いして、週末は自然に触れてリフレッシュして、月に一回は日本や他の東南アジアに旅行に行く。こんな生活も夢ではなくなります。

移住だけじゃない!地理的アービトラージで世界旅行

世界旅行にはお金がかからない?!

移住となるとハードルが高く感じる人もいるかもしれませんが、旅行なら行きたいと言う人も多いと思います。地理的アービトラージは、世界旅行にも活用できます。
FIREの著者で知られるクリスティー・シェン氏と彼女のパートナーのブライス・リャン氏は、リタイア後(彼らは30代前半で早期リタイアを実現しています)に二人で世界旅行に出かけています。
二人分の旅行保険の費用(1750カナダドル)を入れても、合計で年間3万879ドル、日本円で約400万円ほどで1年間世界中を旅したそうです。年間400万円というと、月33万円ですから普段の生活費と大して変わらないですが、この1年間に彼女たちはなんと、3大陸、20か国を訪れています。

世界中には様々な国があり、物価の高い国もあればそうでない国もあります。これをうまく組み合わせることによって、一日の支出は一人当たり平均42ドルで済んだそうです。
ボストンで新鮮なカキやロブスターを食べることもあれば、タイでスキューバダイビングを楽しんだ日もあり、スイスのアルプスでハイキングを楽しむ日もあれば日本で神戸牛を食べる日もあったそうです。東南アジアを組み入れることで、それぞれの国で旅を満喫しながらも、しっかりと費用を抑えることができたそうです。東南アジアは素晴らしい気候と、自然、料理があり、安い物価で贅沢ができる最高の場所だったと本で書かれています。

格安で4つ星のライフスタイル

タイでは年間1万2000ドルから1万5000ドルでお姫様のような生活ができるそうです。同じように、ベトナム、マレーシア、カンボジアでも1つ星の値段で4つ星のライフスタイルが味わえるそうです。
メキシコなどの中南米、東欧、ポルトガルなども同じような体験ができるそうです。

移住するとなるともちろんビザの取得が難しい場合もありますが、観光ビザの場合、日本やアメリなどの信用のあるパスポートを保有していれば、問題なく入国することができます。
もちろん今はコロナ禍で通常通りではないですが、欧州の滞在期間は最長90日間ですので、3か月間ヨーロッパを満喫することができますし、ベトナム、カンボジアなどはネットで電子ビザを申請し、手数料を払うとすぐにビザがもらえます。タイでは空港で自動的に30日間の観光ビザをもらえるようです。

海外移住とまで考えていなくても、地理的アービトラージという方法は海外旅行でも活用することができるので、是非コロナ禍が治まった際には贅沢な旅行を計画してみてください。


経済的に自立できれば、仕事は生活のために必須に行うものではなく、選択肢の一つにすることができるという、誰もが目指したい素晴らしいライフスタイルだと思います。
「家を買うべきか」「どちらの仕事を選ぶべきか」などの選択に迷っている人は、「もし〇〇をすれば、リタイアまでの期間が〇年伸びる」という風に考えて、自分でどちらを取るべきか考える基準にしてみてください。

是非FIREの方法の一つや旅行をより楽しむ方法として「地理的アービトラージ」の活用を考えてみて下さい。

FIREのためにインデックス投資を始めたい方は、こちらのブログを参考に:
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貯金はもったいない!米国インデックス投資で「絶対にやってはいけないこと」
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NISA口座についてはこちら:
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投稿者: CA life

カリフォルニアで暮らしています。 早期リタイアのために米国株式投資で資産形成を始めました。 金融リテラシーを高めるために日々勉強中です。

地理的アービトラージは日本人に有利!最速で早期リタイアを実現する方法」への1件のフィードバック

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